歯科の豆知識

口腔ケアってなんですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「口腔ケア?」なんですかソレ?と思われる方も多いかもしれませんね。

簡単に言えば「お口の中を清潔に、きちんとお手入れすること」です。

なので、歯科で行う「予防治療」や毎日の歯磨きも「口腔ケア」の一環です。

お口の中が不潔な状態だと、虫歯や歯周病になりやすくなります。

歯周病は糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞、誤嚥性肺炎などほかの疾患と関連が高いと言われています。

さらに今は、誰もが新型コロナウイルス感染症にかかる可能性のある時だからこそ、命を守るためにも

口腔ケアが大切なのです。

口腔ケアには歯科医院で受けるプロによるケア(予防治療)の他に、ご自宅にてご自分で行える

セルフケアがあります。

今回はセルフケアでも重要な歯磨き、特に「デンタルフロスと歯間ブラシ」にスポットを当てて

ご紹介したいと思います。

■デンタルフロスと歯間ブラシ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●デンタルフロスは細い繊維を束ねて糸状にしたもの。

主要なものはF字型・Y字型のホルダータイプとロールタイプです。

ロールタイプは経済的ですが、自分の指にフロスを巻き付けて使用するので、初心者の方にはホルダータイプが

おすすめです。Y字型は奥歯の間にも通しやすいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●歯間ブラシはL字型とI字型が主流です。I字型が前歯に使いやすく、L字型は奥歯の間などに入れやすいです。

ご自分の歯と歯の隙間のサイズに合ったものをご使用ください。

(超合金ワイヤーを使用しているものは折れにくいですが、ワイヤーが歯の根元に直接あたっている状態が

長期にわたると歯の根元が削れることがありますので、気を付けて下さい)

■STAY HOMEでできる「口腔ケア」はこれだ!

おうちで歯磨きする時、これらのデンタルフロスや歯間ブラシを使っていますか?

歯磨きは頻繁にしていても、これらを使っている人はとても少人数なのではないでしょうか?

しかし、普通に歯ブラシで歯磨きしているだけでは6割以下しか磨けていないのです。

歯磨きだけでは磨ききれない「コンタクトポイント」=歯と歯が接している部分があり、そこには

デンタルフロスが有効です。

また、歯ブラシが当たりにくい、特に歯の裏側の根元まわりや、歯の隙間が広い部分、ブリッジを

している部分には歯間ブラシが有効なのです。

 

■具体的にどうやって使うの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歯と歯が接する場所には歯ブラシの毛先が入らなくても、細菌は入り込めます。

その細菌を除去するためは、歯と歯の間にフロスを通さなければ取れません。

フロスはのこぎりを引くように斜めにスライドさせながら挿入します。

コンタクトポントからそのまま歯の根元まわりまでフロスを移動して、歯肉の溝にフロスを優しく

少しだけ入れ込んでから、歯の先端に向かってフロスを動かすことで、コンタクトポイントに溜まった汚れが

掻き出されます。

ただしこの時、グッと力を入れ過ぎて押し込むように入れると勢いあまって歯間乳頭=歯と歯のあいだの

歯ぐきの上の部分に食い込んでしまいます。

そうなる、歯間乳頭を痛め、目立った隙間ができてしまうので、気を付けて下さい。

 

さらに、歯間ブラシは歯と歯の間に挿し込んだ後、歯の根元の表面や、歯の根元まわりにブラシの毛先が

当たるように傾けてから動かします。隣り合う歯の両サイドを磨くつもりで。

 

 

と言われても、やはり実際やるときには、自己流になってしまいがちです。自己流だと、間違った使い方を

している可能性もあります。

歯の形や歯ぐきの状態など人それぞれですから、あなたに合ったフロスや歯間ブラシの使い方を、口腔ケアのプロ

である歯科衛生士から指導してもらうのが一番の近道です。

 

歯磨きだけでも面倒なのに、フロスや歯間ブラシまで加わったら、さらに面倒に感じるかもしれませんが、ここで

きちんとお手入れしておくことで、老後に後悔しないためにも、今のちょっとした努力が実を結びます。

フロスや歯間ブラシ、歯ブラシの使い方はぜひ、歯科衛生士にお気軽にお尋ねくださいね。

 

 

 

参考:引用 nico 『2020年4月号P.10~P.23 クインテッセンス出版(株)