歯科の豆知識
歯ブラシと歯みがき粉を選ぶコツ!
歯を守る上で歯みがきはかかせません。その歯みがきに必要な「歯ブラシ」「歯みがき粉」をみなさんはどういった基準で選んでいますか?
ご自分の好みはもちろんですが、自分の口に合った歯ブラシや歯みがき粉を知っていれば、
さらに歯磨き上手になれますよ!
今回は「選ぶコツ」をお知らせしますね。
歯ブラシを選ぶコツは?
ズバリ「大きさ」と「かたさ」です。
大は小を兼ねるといいますが、大人用の歯ブラシを小さなお子さんが使うことはないですよね?
それと同じように、みなさんの使っている歯ブラシが自分の口の大きさに合っているかどうかが、上手に歯みがきをするポイントになります。
口が小さいのに幅広で毛束の多いものを使われると、奥の方が磨きにくくなったり、歯ぐきを傷つけてしまったりと、せっかくのケアの効果が半減してしまいます。
ヘッド部分の小さいものを選ぶ、あるいは奥歯や歯ぐきの際だけ専用の別の歯ブラシで磨くなどすると効果的です。
次にかたさですが、ふつう~やわらかめを選びましょう。
一般的に歯みがきをするときの力は150~200gが適切といわれていますが、ほとんどの方がこれ以上の圧をかけて磨いているとされています。
力をかけて歯みがきすると少しずつ歯の表面が削れたり歯ぐきが傷ついたりして、むし歯になりやすくなったり知覚過敏の原因になったりします。
自分には関係ない、大丈夫!と思われるかもしれませんが、実はこういった普段の何気ない癖が原因で来院される患者さまは少なくないのです。
幼いころから身についた癖はそう簡単に治らないため、少しでもダメージを軽減するためにふつう~やわらかめの歯ブラシをおすすめします。
もちろん、かためが絶対ダメ!というわけではありませんが、かためを選ばれる方は特に力を入れてしっかりとごしごし磨くという傾向が強いので、より一層力加減に注意して磨いていただきたいと思います。
ただし、食べかすや歯垢を落とす力は歯ブラシがやわらかいほど弱くなります。やわらかめを選ばれる際は、時間をかけて丁寧に磨きましょう。
また、フロスや歯間ブラシの併用も心がけていただけるとより一層きれいにすることができます。
とはいえ、自分自身で歯みがきの癖やちゃんと磨けているかどうかのセルフチェックをすることはなかなか難しいと思います。
最近は歯ブラシの種類もたくさんあるため、普段使っているものが本当に自分に合ったものなのか、わかりませんよね。そういう場合は、かかりつけの歯医者さんで確認してみてくださいね。
歯みがき粉の種類って?
薬局やスーパーに行くと、商品棚にたくさんの歯みがき粉が並んでいます。
種類豊富な歯みがき粉ですが、歯磨き粉には「歯みがき類」と「薬用歯みがき類」の2種類があります。
それぞれどのような違いがあるのでしょうか?
〇歯みがき類とは
歯みがき類は化粧品に分類されます。
え、化粧品!?と思われるかもしれませんが、歯みがき粉のように、人体に使用される製品は、正しい使い方、適正な品質を確保するために、医薬品医療機器等法という法律で規制されており、この法律上、歯みがき粉は「化粧品」と「医薬部外品」に区別されます。
化粧品に属する歯みがき類には、粉状のものから、湿り気のある「潤製」ペースト状の「練」、低粘性の「液状」、水とほぼ同じ「液体」、洗口液まで含まれます。
基本成分には、歯の汚れを落とし、歯の表面をきれいにするための清掃剤・研磨剤・清掃助剤細かな泡立ちでお口のすみずみまで汚れを落とすための発泡剤
そのほか粘結剤・香味剤などが含まれ、これらの成分の機能が総合された結果として、「歯を白くする、口の中を浄化する、ムシ歯を防ぐ、口臭を防ぐ、歯の着色汚れを取る、歯垢を除去する、歯石の沈着を防ぐ」といったさまざまな働きをしてくれます。
〇薬用歯みがき類とは
一方、薬用歯みがき類は医薬部外品に分類されます。
医薬部外品と聞くと効果が低いのでは?と勘違いされている方も多いのですが、医薬品に準ずる効果が認められているものが医薬部外品なのです。
つまり、薬用歯みがき類には先の歯みがき類と同じ基本成分に加えて、フッ化物、殺菌剤、抗炎症剤といった、何らかの症状や予防に効果的な薬用成分が含まれています。なので「むし歯の発生及び進行の予防、歯肉炎・歯周炎の予防」などの化粧品の歯みがき類にはなかった効能をうたっています。
歯みがき粉の使用期限ですが、日本で売られているほとんどのものは3年経過しても品質に問題がないようにつくられています。ただし、いったん開封したものは、保存条件などにより品質が劣化することがあますので、なるべく早く使い切るようにしてくださいね。
市販の歯みがき粉を購入される場合は、ぜひ確認してみてください。
ただし、これらの商品はあくまでも「そういった効果が期待できる」ものです。
使用したからといって、必ず求めていた結果を得られるものではありませんのでご注意ください。
特に歯を白くしたい、着色を落としたい、といったお悩みは歯みがき粉だけでは十分に解決できないので、
ご希望の場合は歯科医院に相談されることをおすすめいたします。
参考:日本歯磨工業会より