豆知識
自費治療は“選べる治療”です!
歯科の治療には「保険治療」と「自費治療」があります。
なんとなく自費治療と聞くと、「高い」「押し売りされる」「芸能人など一部の人が受けるもの」といったイメージがあるのではないでしょうか?
でもちょっと待ってください!
自費治療は、患者様の歯と健康のための“選べる治療方法”なのです。
1~3割負担というのが、いわゆる保険治療のことを指します。
皆さんが普段、病院や歯科医院で保険証を見せて受けている治療はこの保険治療です。
これはどこのどんな医院でも、治療した内容が同じであれば基本的に費用は変わりません。
この保険治療のおかげで、私たちは気軽に病院を受診し、治療を受けることができます。
しかし、歯科においてこの保険治療は、ごく限られた「最低限の治療」なのです。
家を例に考えてみましょう。
新しく家を建てる際、耐久性・安全性・快適さ・清潔感など、いろんなところにこだわりますよね。
これは家を「ただ住むためのもの」として見ているのではなく、「理想の毎日を実現するためのもの」として考えているからです。それもこの先何十年にもわたる暮らしの質がかかっていますから、妥協はあっても無頓着ではいられません。
この考え方は歯の治療と非常によく似ています。
ただ噛むだけであれば、たしかにどんな治療でもいいかもしれません。
ですが、これから何十年も使っていくことを考えたときに、その治療で皆さんが思い描く理想の毎日を実現することができるのでしょうか?
少なくとも、歯科の保険治療では「噛める」以外の機能はそれほど保障されていません。
なぜかというと、歯科の保険治療の内容は、実は約60年前に決められた「最低限噛めるようにする治療」で、それをいまだに運用しているからです。
60年前といえば、東京オリンピックの開催やカラーテレビが普及し始めた時代です。
家を建てるときにアスベストが使用されていたのもこの時代です。
今では考えられないですが、そういった時代の治療方法が歯科の保険治療なのです。
つまり、それ以外のさまざまな治療方法はすべて自費治療となるわけです。
自費治療は保険治療と違い制限やルールがないため、最新の治療を受けたり、高性能な材料を選んだりなど、選択肢がぐっと増えます。
その患者様の症状やお口の状態に合わせてオーダーメイドできるのが最大のメリットといえるでしょう。
保険治療といえば、銀歯。これはむし歯の再発(2次カリエス)のリスクが高いです。詰め物と歯の隙間ができて、そこにむし歯が再発しやすくなります。
定期的に歯科衛生士の治療で歯医者に通っている方ならまだしも、「痛かった歯の治療が終わったらもう行かない!」というタイプの方は、詰め物が劣化しても気づかず、何年か経ったら治療したところがまたむし歯になり、その結果歯を大きく削ったり、最悪は抜いたりすることも珍しくありません。
私も、まだ、歯科の知識がないころは、2次カリエスに悩まされていました。
「治したのになんでまたむし歯?治した意味がない!」と落胆したこともありました。
しかし、自費治療のことを知って、かぶせ物を自費治療で処置してもらったら快適で、
食べたいものをしっかり噛んで食べることができ、2次カリエスへの不安も和らぎました。
さらに見栄えも良くなって、笑顔になることも増えました。
加えて、今は歯科衛生士による専門的な予防治療を定期的に受けていますから、以前のような落胆はありません。
あ、だからといって、歯みがきなどのセルフケアはもちろん欠かせませんよ!
家の手入れをしないと時間が経って虫がわいたりカビが生えたりするのと同じで、お口の中も放置した分だけ細菌が繁殖しむし歯や歯周病が進行しやすくなります。
歯は有限ですし、一生付き合っていくものです。
今だけのことで考えず、未来の自分のことも想像してお手入れをかんばっていただきたいなと思います。
ちなみに、先進的な医療を受けられることで有名なアメリカには、日本のような保険制度はありません。
世界的に高いレベルの医療を受けることができますが、基本的にすべての治療が自費治療です。
なんと救急車も有料で、その料金はタクシーと同じで距離等に応じて変動するそうです。
このため一般の人が治療を受けるためには、民間の保険に加入しないと治療費を払うことができません。
中にはその保険料すら払えず、適切な治療を受けられなくて亡くなる方もいらっしゃいます。
当院では、患者様に保険、自費治療を問わず、どのような治療方法があるかをお知らせするため、必要に応じで保険治療と自費治療のご説明をさせていただいております。
治療の選択肢について、ご不明な点などございましたら、お気軽にスタッフまでお声がけくださいね。
クリスマスが終わり、あっという間にお正月もやってきます。
今年一年間、ありがとうございました。
何か皆様のご参考になることがありましたでしょうか?
来年も喜んでいただけるたけち歯科クリニックであるように、スタッフ一同努力してまいります。
良いお年をお迎えくださいませ。