歯科の豆知識
「口ゴボ」の意味とは?
肌寒い季節になりました。
ようやくマスクを外した生活に慣れてきた頃ですが、またマスクが必需品となる季節がやってきましたね。
顔を出す機会が増えたことで、メイクや歯並びに気を遣うという方も増えているそうですが、そんな中でも話題になっている言葉があります。
●口ゴボってなんですか
みなさんは聞いたことがありますか?
別名:ゴボ口とも呼ばれる、口がゴボっと出た状態を言います。
正面からはまったくわからないのですが、イラストのように横顔で見ると、口が少し前に出ていることがわかります。
SNSの新しい造語の一種で、ここ数年で広く知られるようになりました。
病名として特に正式名称はなく、口がゴボっと出ていることから「口ゴボ」と呼ばれるようになったとされています。
一般的に、横顔の美しさはEラインによって決めるとされています。
Eラインとは、口を閉じた状態で、鼻の先から顎の先までをむすんだ直線のことをいいます。(イラストの赤いライン)
このEラインにふれないくらい、もしくは少し内側に唇がある場合に、横顔が美しいといわれます。
反対に、Eラインよりも前に唇がある場合は、口ボコと呼ばれる状態に近いと言えます。
自分の横顔を見ることは難しいですが、Eラインを簡単に診断できる方法があります。
それは人差し指を当てることです。
鼻の先から顎の先にかけて、人差し指を置きます。
ちょうど人差し指を通るラインがEラインにあたります。
この人差し指に触れるか触れないくらいが、きれいな横顔とされますが、唇が押しつぶされるようであれば、口ゴボの可能性が高いといえます。
●口ゴボの原因
口ゴボは主に出っ歯や顎の位置が原因とされています。
1.出っ歯
きれいな歯並びに見える方でも、実は歯科業界的には出っ歯に当てはまることもあります。
「出っ歯じゃないのに口が出ているように見える」という方は、もしかすると自分では気付いていないだけで、歯並びに原因があるかもしれません。
2. 骨格
歯ではなく、顎自体が前に出ていることもあります。
生まれ持った骨格の問題なので、歯並びだけでは改善しないこともありますよ。
3. 習慣や癖
口呼吸や舌の癖など、知らず知らずのうちに習慣化している癖に原因があるかもしれません。
人は口を閉じているとき、上の前歯の裏側に舌を置いています。
ここに舌を置くことによって、歯並びを裏側から支え、きれいな歯並びをキープすることができます。
ところが口を開けていると、上の前歯の裏側に置いていた舌の定位置が下がります。
実際に口を開けてみるとわかりやすいですよ。
舌の位置が下がることによって、前歯が常に押し出されます。
こうした習慣が積み重なって、出っ歯が進んでいきます。
口呼吸以外にも、前歯を押し出すような舌の癖や、爪を噛む癖など、さまざまな習慣によって歯並びが変化していくのです。
その他にも、アデノイド顔貌と呼ばれる、鼻と喉の間にある咽頭扁桃が大きくなって顔に現れる特徴によっても、口ゴボになるといわれています。
いずれにせよ、自己判断できるものではないので、気になる方は病院で診てもらうようにしましょう。
●口ゴボは自分で治せる?
一度なってしまった口ゴボを、自力で治すことはほぼ不可能です。
間違った方法で歯や骨に負担をかけてしまうと、かえって悪化することにもつながります。
かならず専門の知識をもった歯科医師のいる歯科医院を受診するようにしましょう。
ただし、お子さまの場合は、日々の習慣を変えることによって、口ゴボの進行を食い止め、予防することは可能です。
例えば、口ゴボの原因となる口呼吸であったり、指しゃぶりや舌で前歯を押し出す癖などは、いつからでも治すことができます。
上記のような習慣のあるお子さまは、将来的に口ゴボになる可能性が高いので、早い段から習慣を見直すとよいでしょう。
●口ボコの治療方法
大きく分けて2種類の治療法があり、原因により治療法がかわります。
ひとつは「歯並び」が原因の場合 ➡ 歯の矯正などの「歯科治療」
もう一つは「骨格」が原因の場合 ➡ 輪郭整形などの「美容整形」になります。
また、歯並びを治すには、ワイヤー矯正とマウスピース矯正があります。
ワイヤー矯正は歯に専用の金具を装着して矯正する方法です。
マウスピ―ス矯正は透明のマウスピースを使って矯正する方法です。
当院ではマウスピース矯正を行っております。詳しくはこちらをご覧ください。