歯科の豆知識

低栄養とは何か?見逃されがちな原因とは

 

ゴールデンウィークが終わり、休み気分がなかなか抜けませんね。
今年は最大で10連休だったと聞きますが、みなさまのところはいかがでしたでしょうか?

この休み中、ネットでこんな記事を見かけました。

「若者のやせすぎが問題になっている」

最近の韓国アイドルブームも相まって、小顔で細い身体を手に入れたい方も増えているのかもしれません。

そこで今回は、やせがもたらす影響についてお伝えしていこうと思います。

 

●やせている状態とは?

「あの人やせているよね!」「そんなにじゃない?」人によってやせの感覚は異なりますが、BMI(体格指数)では、しっかりとやせ型の基準が決まっています。

 

BMI=体重kg÷身長m÷身長m

 

上記の式で算出できます。
この式は世界共通ですが、肥満の判定基準については国によって異なります。

ここでは、日本の基準を紹介します。

 

BMI:25以上=肥満

BMI:18.5~25未満=普通体重

BMI:18.5未満=やせ型

 

見た目はさておき、BMIでは18.5未満の方をやせと定義することができます。

もちろん、18.5だからやせていない、24.9だから肥満ではない、というわけではないので、そこはご注意くださいませ。

 

●やせていると何が問題?

日本人は先進国の中でもやせが多い国と言われています。令和元年の国民健康・栄養調査では、20歳代女性の約20%はBMIが18.5未満のやせ型でした。
20代女性の5人に1人はやせているという結果です。

 

 

やせていること自体に問題はありませんが、やせ型の方は十分な栄養を摂取できていない可能性が高く、低栄養に陥っているかもしれません。

一時的であればそれほど心配いりませんが、低栄養状態が続くと、筋力や体力が衰えて疲れがたまりやすくなっていきます。

するとますます身体を動かすことが億劫になってしまい、さらに筋力や体力が低下していきます。

こうなると、日常のちょっとした運動も一苦労です。

 

●そもそも低栄養って?

やせている方は要注意の低栄養ですが、実はやせていなくても低栄養になることがあるのです。

 

低栄養とは、健康的に生きていくうえで必要な栄養素が足りていない状態のことを言います。

つまり、必要なエネルギーは足りていても、必要なたんぱく質が足りていなければ、それは低栄養にあたります。

コンビニやスーパーで手軽に食べ物が手に入るようになり、カップ麺やお菓子などの加工食品を口にする機会が増えました。

そのため、きちんとした食事よりも、こうした食品を食べることの方が多くなり、結果的に必要な栄養素が不足しやすい環境だといえます。

忙しいときなどは特に、コンビニでパッと口にできるものを…と考えてしまいますよね。

他にも、たくさん運動をする方や、代謝の激しい方などは、エネルギー不足に陥りやすくなります。

下痢や嘔吐の続く方も、十分に栄養を吸収できていないため、低栄養状態になりやすいです。

このように、一見すると低栄養に見えない人でも、実は低栄養状態に陥っているということはよくあります。

次回は、そんな低栄養が引き起こす症状と、その予防法について解説していきます。

 

 

 

 

 

参考:厚生労働省 令和元年国民健康・栄養調査結果の概要

保険指導リソースガイド「女性は痩せ願望が強すぎ「小食」と「運動不足」は健康リスクを高める 保険指導の個別化・最適化が必要

e-ヘルスネット 低栄養/PEM