歯科の豆知識
インプラントとブリッジの違い・選び方のポイント
▼目次
歯を失った時、代表的な治療の選択肢はインプラント、ブリッジ、入れ歯です。それぞれにメリットや注意点・リスクがあり、どれを選ぶべきかは、患者さんの状況や希望によって異なります。
今回は、その中でもインプラントとブリッジの特徴や治療期間、費用の違い、そして選び方のポイントを解説します。
1. インプラントとブリッジの特徴
インプラントは、失った歯の代わりに人工の歯根(インプラント)を顎の骨に埋め込む治療法です。その上に人工の歯を取り付けることで、まるで天然の歯のようにしっかりと機能させることができます。インプラントの特徴は、他の歯に負担をかけない点です。
一方、ブリッジは、失った歯の両側にある健康な歯を削り、その歯を支えにして人工の歯を固定する方法です。ブリッジは、インプラントと比べて短期間で治療が完了する一方、健康な歯に負担をかけるというデメリットがあります。
簡単にまとめると以下のようになります。
インプラント:顎の骨に人工歯根を埋め込み、自然な噛み心地を得られる。隣の歯に影響を与えない。
ブリッジ:健康な歯を削り、連結した人工歯を装着する。治療期間は短いが、隣接する歯に負担がかかる。
2. インプラントとブリッジの治療にかかる期間と痛みの違い
治療に要する期間や、痛みの感じ方にもインプラントとブリッジには違いがあります。
インプラントの治療期間と痛み
インプラントは手術が必要であり、人工歯根が骨と結合するまでに一般的には3〜6ヶ月かかるとされています。そのため、ブリッジと比較し治療期間が長めです。手術後には痛みや腫れを伴うことがありますが、適切なケアを行えば徐々に回復します。
ブリッジの治療期間と痛み
ブリッジは手術が不要で、一般的には1〜2週間程度で治療が終了します。隣接する歯を削る際には軽い痛みを伴うことがありますが、治療自体はインプラントほど体に負担がかかるものではありません。
簡単にまとめると以下のようになります。
インプラント:手術が必要で治療期間が長いが、長期的な安定性が高い。
ブリッジ:手術は不要で治療期間が短いが、隣の歯に負担をかける。
3. インプラント・ブリッジを選ぶポイント
インプラントとブリッジのどちらを選ぶかは、患者さんの希望や状況によって異なります。以下のポイントを考慮して、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。
①健康な歯の保護を重視するかどうか
インプラントは、隣接する健康な歯を削らずに済むため、他の歯への影響を最小限に抑えたい方におすすめです。ブリッジは、隣の歯を削る必要があるため、健康な歯を保護したい場合には慎重な検討が必要です。
②治療期間の長さを重視するかどうか
早く治療を終えたい方には、短期間で治療が完了するブリッジが向いています。一方で、インプラントは治療期間が長いものの、長期的な安定性が高いのが特徴です。
③費用面を重視する場合
インプラントは初期費用が高い一方、長期的なメンテナンスコストが低くなることが多いです。将来的な費用対効果も考慮して選択することが重要です。ブリッジは比較的安価ですが、将来的に隣接する歯の治療が必要になることもあるため、追加費用がかかる可能性があります。
どちらの治療法を選ぶにしても、歯科医師に相談することがおすすめです。歯科医師は、患者さんの口腔内の状況やライフスタイル、健康状態を総合的に考慮して、最適な治療法の提案があるでしょう。
4. インプラントとブリッジ長期的なメリット
最後に、インプラントとブリッジを長期的な視点で比較してみましょう。
インプラントの長期的メリット
インプラントは、顎の骨に固定されているため、非常に耐久性が高く、適切なケアを行えば数十年にわたって機能し続けます。長期的に見て、歯列全体の健康を守りながら機能を維持できるのが大きなメリットです。
ブリッジの長期的メリット
ブリッジも長期的に使用できることはメリットです。ただし、隣接する歯が次第に劣化する可能性もあり、メンテナンスがより重要です。また、ブリッジの寿命は十年程度とされており、その後は交換が必要になる場合があります。
簡単にまとめると以下のようになります。
インプラント:適切なケアで長期的に機能し続ける。
ブリッジ:数年は機能するが、メンテナンスや再治療が必要になることがある。
インプラントとブリッジは、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。
健康な歯を守り、長期的に安定した治療を望むならインプラント、短期間で治療を終えたい場合やコストを重視するならブリッジが適しているといえるでしょう。
最終的には、歯科医師と相談し、ライフスタイルや健康状態に合った最適な治療法を選ぶことがおすすめです。
京都の歯医者 たけち歯科クリニックではインプラント、ブリッジいずれの治療も安心して受けていただくために様々な工夫をしています。
まずはぜひ当院へ来ていただいて、不安な思いやご要望をわたしたちへ気軽に相談してください。
監修:武知 幸久
経歴:
1989年 徳島大学歯学部卒業
1997年 たけち歯科医院開業
2011年 医療法人社団翔志会
たけち歯科クリニック開設
京都市立病院 登録医