歯が欠けた
歯が欠けるのは、ほとんどの場合、むし歯が原因です。
たけち歯科クリニックでは、元の歯を極力残しながら処置することができます。
「あれ、歯が欠けている!?」
舌で歯を触るといつもと違う感じがあったり、ふと鏡越しに口の中を覗くと歯の先端が少し欠けているのに気付いたり、歯が欠けてしまうということは案外身近に起こります。
ただ一言に歯が欠けるといっても、その原因はさまざまです。どうして歯が欠けてしまうのでしょうか?
- CASE1 : むし歯
- 食事中に歯が欠けるのは、ほとんどの場合はむし歯が原因です。
むし歯は歯の表面のエナメル質から進行し、その下の象牙質を溶かしていきます。象牙質はエナメル質と比べて柔らかいため、一部でもむし歯が象牙質に達するとそこからどんどん進行していきます。つまり表面上は点に見える小さなむし歯でも、中で大きくむし歯が広がっている可能性があるのです。こうなるとエナメル質は無事でもその下の象牙質は溶けてスカスカの状態ですから、食べ物を咀嚼するときに脆くなった歯の一部が欠けてしまうのです。
- CASE2 : 歯ぎしり・食いしばり・歯列接触癖
- 歯ぎしり・食いしばりについては別ページでも紹介していますが、多くの場合は無意識のうちに行っています。
特に寝ている間は要注意です。歯ぎしり・食いしばり時に歯にかかる荷重は、その方の体重の数倍と言われるほど過度な力です。目に見えない小さなヒビが入ったり、歯の先端や歯ぐきとの境目が欠けてきたり、むし歯でもないのに歯が壊れていきます。
また、歯列接触癖(Tooth Contact Habit、またはTCH)というのは、その名前の通り上下の歯を軽く接触させる癖のことです。私たちの口の中は通常、食事中以外は上下の歯は噛み合わせず、少しすき間を空けています。この癖のある方は、日頃から継続的に歯への刺激が加わっているため、他の人より歯が欠けやすかったり割れやすかったりします。また顎への負担もかかって顎関節症を併発しやすくなります。
- CASE3 : 外傷、硬いものを噛んでしまった時
- 自転車やバイクで転んで顔を強打したり、小さいお子様だと遊具や壁にぶつかったりすると、歯が欠けたり折れたり、時には歯が抜けてしまうこともあります。しかし、たとえ歯が抜けてしまっても適切な処置を行えば元に戻すことも可能です。こうした場面に遭遇しても焦らずに冷静に対処して、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
また、硬いものを強く噛んでしまったときなどにも、前歯が欠けたり折れたりすることがあります。
- CASE4 : 酸蝕歯
- お口の中は常に中性を保っています。飲食をすると、食材の性質やむし歯菌の働きによって、お口の中が一時的に酸性へと傾きます。しばらくすると唾液の作用や歯磨きなどによってまた中性に戻っていくのですが、酸性に傾いている間は歯の表面のエナメル質が柔らかくなって少し唾液中に溶け出します。これを脱灰といいます。これは誰にでも起こる自然な現象なのですが、普段から酸性の強い柑橘類やお酒などをよく摂取する習慣のある方は、人より脱灰が進みやすくエナメル質の大部分が溶けて歯が脆くなります。この状態を酸蝕症と診断します。酸性の食品だけでなく、逆流性食道炎などの病気によって日常的に胃酸に歯がさらされる方や、砂糖を大量に使用している清涼飲料水やスポーツドリンクをこまめに摂取される方も、この病気になっている可能性が高いといえます。
治療方法
- 1.むし歯による欠けの場合
- むし歯になった部分を削り歯の代わりとなる材料をつめて修復します。むし歯の大きさよって治療内容や回数が変わるため、詳しい治療計画は診査・診断を行ってからになります。1回で終わることもありますが、欠けてしまうほどの状態であればむし歯の範囲も大きいと予想されますので、1本の治療で数回の通院が必要となることもあります。たけち歯科クリニックではむし歯になりにくい素材を使ったさまざまなつめ物をご用意しております。一度削った歯は二度と元には戻らないため、残っている歯を少しでも長く守っていくことが大切です。
- 2.歯ぎしり・食いしばり・歯列接触癖
- 欠けた部分を修復することはできますが、こういった癖を治さない限り、何度でも同じように欠けてしまいます。癖を根本的に治療することは難しいため、患者様の自助努力に頼らざるを得ません。ただそれも起きている間だけで、睡眠中の無意識の時間帯はどう頑張っても抑制することはできません。しかし、ダメージを軽減することは可能です。たけち歯科クリニックでは、睡眠時に着用するナイトガードの作製をおすすめしています。眠っている間の歯ぎしり・食いしばりから歯やつめ物を守ってくれます。
- 3.外傷、硬いものを噛んでしまった時
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・小さく欠けた場合
欠けた部分をつめて修復すれば問題ありません。ただし、外傷時は歯に強い衝撃がかかっていますので、早ければ数日後、長ければ数年後に歯の神経が死んでしまうこともあります。欠けた範囲に関わらず、その後の経過を見守るためにも定期的に歯科医院で検査した方がよいでしょう。
・大きく欠けた場合
欠けた歯と残った歯の状態によって治療方法が変わります。神経を残すことができれば、つめ物やかぶせ物で修復して経過を見守ります。神経が露出してしまった場合は、神経を取り除く処置を行います。神経を取った歯は健康な歯に比べると寿命が短くなるといわれているため、こちらも長い目で経過観察をする必要があります。
・前歯が根元から折れた場合
根元まで大きく欠けてしまった場合、縦に割れてしまった場合には、かぶせ物での対応は難しくなります。残念ながら歯を残すことは難しいので抜歯となります。抜歯した後にそのまま放置しておくと、将来的にお口全体に悪影響を及ぼしてしまいます。こうした悪影響を防ぐためにも、抜歯後は入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの欠損治療を行います。
・歯が抜けてしまった場合
歯ぐきに埋まっていた部分には歯根膜という組織があります。ここをいかに守れるかが歯を戻せるかどうかのキーポイントになります。万が一抜けてしまったときはなるべく触らないようにしましょう。汚れがついていても、そのまま飲み込まないように注意してお口の中に含んでおいてください。もしくは、牛乳(無・低脂肪)に浸しておきましょう。その後すぐに歯科医院で処置を施せば、歯をもとに戻せる可能性が高くなります。
- 欠けた状態を放置すると
- 歯が欠けた状態、折れた状態を放置することは、やめましょう。
痛みなどの症状がない場合でも、ゆくゆくは大きなトラブルにつながることもあります。歯が欠けてしまったことに気付いたら、早めにご相談されることをおすすめいたします。