入れ歯

現在お使いの入れ歯の調整や患者様ごとに合わせた
専用の入れ歯をお作りいたします。

歯を失ってしまうと、「食べる」「話す」といったお口の機能が著しく低下してしまい、頬や舌、あご、噛み合わせなどだけでなく、全身のバランスにも悪い影響を与える恐れがあります。
とはいえ、入れ歯を使っていると、何かしらの不具合を感じたことのある方がほとんどではないでしょうか。

入れ歯で感じるお困り事

  • 噛むと痛い
  • 違和感があったり、落ちたりしやすい
  • 食べていても味がしない
  • 針金などの入れ歯だとわかる
    見た目が嫌だ

これらのお困り事は、お使いのものを調整や修理するだけで改善できるかもしれません。
もしも、それでも改善できない場合、たけち歯科クリニックでは皆様がより快適にお食事を召し上がっていただくために、さまざまな種類の入れ歯を取り扱っております。長く安定してお使いいただける入れ歯をご提供します。

入れ歯の種類

保険適用の入れ歯

プラスチックの一種であるレジンを使用した一般的な入れ歯です。部分入れ歯の場合は他の歯に針金を引っかけて固定させるため、口を開けると金属部分が見えます。入れ歯は床と呼ばれるピンク色の部分が薄いほど違和感なく使用できるのですが、レジンは割れるリスクがあるため、一定の厚みをつけて作成されます。そういった理由で、口に入れたときの違和感が大きく、また温度も感じにくいため、ごはんを美味しく食べることが難しくなります。またプラスチックが歯ぐきやあごの上に乗っかっているようなものですので、ぴったりとその形に合っていない限り、ぐっと力を入れて噛むと痛みを感じます。なるべく患者様のお口に合ったものを作製いたしますが、保険の規定上、すべてのお悩みを解決できる設計にならないことがほとんどです。メリットとしては、安価で作製できることと、修理がしやすいことがあげられます。

保険適用外の入れ歯もあります
保険の規定に左右されないため、より患者様のお口に合ったものをお作りできます。費用やでき上がるまでの期間はかかりますが、それに見合うだけの優れた機能が備わっています。

金属床義歯

金属を使って床を作成した入れ歯です。レジンに比べて約3分の1程度の薄い床にすることができるため、違和感が非常に少ないです。金属は食べ物の温度も伝わりやすいので、でき立ての料理の温かさやアイスクリームの冷たさなども楽しむことができます。

チタン製
チタンは人工関節の素材として使われるほど身体への生体親和性が高く、非常に安全性に優れた素材です。金属アレルギーが起こりにくく、金属特有の鉄のような味もしません。そして丈夫で非常に軽く、つけ心地が抜群にいい入れ歯です。コバルトクロムの成分にアレルギーがある方でも、使用できる可能性があります。
コバルトクロム製
コバルトクロムは昔から入れ歯用金属として用いられてきた材料です。非常に硬く、入れ歯の針金部分や床として使用するに相応しい特徴を有しています。

ノンクラスプデンチャー

部分入れ歯の欠点として、クラスプ（金属の針金）を隣の歯に引っかけるため、金属が目立ってしまい、見た目が悪いことがあげられます。ノンクラスプデンチャーは、金属の針金をなくして弾性のあるピンク色の樹脂で入れ歯を歯に固定するため、従来の入れ歯と比べて非常に審美的です。また、症例にもよりますが、金属を一切使用しない設計にすることで、金属アレルギーの方にも安心してお使いいただけます。

ノンクラスプデンチャーの主なリスクと副作用について

ノンクラスプデンチャー（クラスプがない入れ歯）は、金属のバネ（クラスプ）を使わず、見た目が自然で審美的に優れていますが、いくつかのリスクや副作用があります。

01.リスク

  • 破損のリスク
    ノンクラスプデンチャーは柔らかく、薄い材料（通常はポリカーボネートやアクリル）で作られるため、金属製のクラスプ付き入れ歯よりも強度が劣る場合があります。過度の負荷や落下によって破損する可能性が高いです。
  • 安定性の低下
    ノンクラスプデンチャーは、金属製クラスプを使わずにフィットさせるため、固定力がクラスプ付きのものより弱く、安定性が不足する場合があります。特に、維持の少ない形をした歯の場合、動きやすくなることがあります。

02.副作用

  • アレルギー反応
    ノンクラスプデンチャーの材料に対してアレルギー反応が出ることがあります。これはまれですが、口内炎や腫れ、かゆみなどの症状が出ることがあります。

ノンクラスプデンチャーは、見た目の自然さと快適さが魅力ですが、適切なメンテナンスや定期的な調整が必要です。

マグネット・オーバーデンチャー

残っている自分の歯の根に磁石を装着し、入れ歯側に超小型磁石を取り付けて磁力で固定させる方法です。強力な吸着力ですので、食事の際にガタつくことはほとんどありません。クラスプ（金属のバネ）がないので見た目もきれいで食後の汚れを落としやすく、磁石に合わせて簡単に着脱することができます。ただし、歯の根が残っていない場合は適応外となります。

マグネット・オーバーデンチャーの主なリスクと副作用について

マグネット・オーバーデンチャーは、残っている歯根やインプラントにマグネット（磁石）を装着し、その磁力で入れ歯を安定させるタイプの義歯です。従来の入れ歯よりも固定力が高く、取り外しも簡単ですが、いくつかのリスクと副作用があります。

01.リスク

  • 磁石の劣化
    マグネットは経年劣化し、磁力が弱くなる可能性があります。これにより、入れ歯の安定性が低下し、定期的なメンテナンスや交換が必要になることがあります。
  • 金属アレルギー
    マグネットやその金属部分に対してアレルギー反応が起こることがあります。アレルギーが発症すると、口腔内に炎症やかゆみが生じることがあります。
  • MRIへの影響
    MRIは強力な磁場を使用して体内の詳細な画像を撮影する装置です。マグネット・オーバーデンチャーの磁石は、MRIの磁場に反応するため、画像にノイズや歪みが生じる可能性があります。特に、マグネットが口腔内にあると、頭や首のMRIスキャンに影響を与えることがあり、診断精度に悪影響を与えることがあります。
  • マグネットの脱落
    マグネットの部分がしっかり固定されていない場合、脱落するリスクがあります。これにより、入れ歯の安定性が低下するだけでなく、脱落した磁石が誤って飲み込まれる可能性もあります。

02.副作用

  • 骨の吸収
    マグネット・オーバーデンチャーは、固定力が高い一方で、残っている歯根やインプラント部分に負荷がかかるため、長期的には顎骨の吸収が進むことがあります。これにより、入れ歯の適合が悪くなり、調整が必要になることがあります。

マグネット・オーバーデンチャーは、通常の入れ歯よりも安定性が高く、快適に使用できる利点がありますが、定期的なメンテナンスや、歯根・インプラントの健康状態を維持するためのケアが欠かせません。

インプラント・オーバーデンチャー（IOD）

インプラント・オーバーデンチャーは、インプラントを１～４本埋入して噛む力を支える方法です。入れ歯がインプラントで固定されるため、他の入れ歯よりもしっかりと噛めることが大きな特徴です。下の総入れ歯が合わなくてお困りの方に、ぜひおすすめしたい治療方法です。固定式のインプラント（All-on-4等）と比べると安価で埋入本数も少ないので、治療費の総額を抑えることが可能です。また患者様自身で自由に取り外しできるためお手入れも簡単です。入れ歯の固定には、ロケーター・アタッチメントやマグネット（前述）を使用します。

ただし、どれを選択されても入れ歯に変わりはありませんので、完全に違和感を取り除くことはできません。より優れた審美性、機能性をご希望される場合は、別ページで紹介しておりますインプラント治療をご確認ください。

インプラント・オーバーデンチャーのリスクと副作用について

インプラント・オーバーデンチャーは、インプラントを支台として義歯を固定する治療法で、安定性と機能性を向上させるメリットがあります。しかし、いくつかのリスクも伴います。

01.リスクと副作用について

  • インプラントの脱落
    インプラントが顎の骨としっかり結合しない場合、インプラントが不安定になり、脱落することがあります。特に喫煙者や骨の質が悪い場合はリスクが高まります。
  • 感染のリスク
    インプラント周囲炎が発生する可能性があります。適切な口腔ケアがされない場合、感染が進行し、骨の吸収やインプラントの脱落につながることがあります。
  • メンテナンスの必要性
    インプラント・オーバーデンチャーは、定期的なメンテナンスが必要です。義歯の取り外しや清掃を怠ると、インプラントの周囲に問題が生じやすくなります。
  • 装置の破損や摩耗
    オーバーデンチャーの接続部分（アタッチメント）は、日常的な使用で摩耗したり、破損したりすることがあります。

02.リスク軽減のために

  • 適切な診断と治療計画
    骨の質や全身的な健康状態を事前に評価し、インプラントの適切な位置や数を計画することが重要です。
  • 口腔ケアの指導
    インプラント周囲炎を防ぐため、患者に適切な口腔ケアを指導し、定期的なメインテナンスを行います。
  • 定期メンテナンスの推奨
    定期的なメンテナンスでアタッチメントの摩耗や義歯の適合状態を確認し、必要に応じて早期に調整を行います。

インプラント・オーバーデンチャーは、患者の生活の質を向上させる有効な治療法ですが、適切なケアとフォローアップが長期的安定の鍵となります。

入れ歯について
よくあるご質問

  • 入れ歯作製の期間はどれくらいですか？

    欠損の本数が少ない場合は、２〜３回の通院で治療が可能です。欠損歯が多い場合は、４～５回治療にご来院いただく必要がありますので、想定期間としては、1ヶ月半程です。

  • 入れ歯がすぐに外れるのですがなおせますか？

    部分入れ歯と総入れ歯によっても原因は少し異なってきます。部分入れ歯の場合、歯にひっかけているバネが緩んでしまっている場合が多いので、バネを調整することで安定させることができます。また、バネをかけている歯自体が動いている場合もあります。治療しても歯の動きが止まらない場合、その歯にバネがかかる限り、入れ歯の動きは止められませんので、新しく作り直した方がよい場合もあります。また、総義歯の場合、入れ歯が顎の形に合っていなかったり、噛み合わせが合っていなかったり、その他にも様々な原因が考えられます。原因をお調べして調整を行います。新しく作り直すことが必要な場合もあります。

  • 入れ歯でもしっかり咬めますか？

    食事中に噛むときの力は、部分入れ歯の場合は天然の歯の30％程度、総入れ歯の場合は10％程度しかありません。かみ合わせが安定していて、歯茎に馴染んでいる入れ歯でしたら、お漬物ぐらいまでは噛めるようになります。ただし、入れ歯はリハビリテーションが必要な人工臓器ですので、新しく作製してもすぐになんでもおいしく噛めるようにはなりません。

  • 他院で入れ歯を作ったのですが合いません。作りなおすことができますか？

    保険の入れ歯の場合、再作製には６ヶ月経過していることが必要です。これは他の医院へ移っても同じです。自由診療の入れ歯であれば期間の制限はありません。

  • 自費の入れ歯と保険の入れ歯はどう違うのですか？

    保険治療は入れ歯の材料や設計が制限されます。自費の入れ歯は材料や設計の自由度が高く、選択肢が多いと言えます。例えば、違和感を少なく作製するためには、材料に金属を使うことで薄くすることができるため、違和感を軽減できます。こうした設計は自費の場合は可能ですが、保険の入れ歯では作製できません。保険の入れ歯が合わずに悩まれている方はご相談いただければ、費用やご要望に応じて提案させていただきます。